土地の有効活用が求められる

2011.10.20

一戸建てにこだわるにしても、2億円もあれば、郊外で広い庭付きが購入できる。つまり、都市部の高額二戸建てでは買い手を探すのに手間がかかるのだ。そこで、不動産会社は、可能な限り多くの木造3階建てを建設し、リスクを回避するわけだ。都市部には容積率の大きな土地が多いために3階建てを建設することができ、60坪の土地を3つに分けたとしても、必要な建物面積を確保できる。ただし、そういった一戸建ては、寄り添うように建設されるため、日当たりのよさは期待できない。特に1階は日当たりが悪い。それで、少しでもよけいにお日様の光を浴びるため、LDKが2階に設置されることが多くなる。そして、重量がかかる浴室は一番下の階に設置するので、その結果、子供部屋は3階に置かれ、子供は「朝起きて1階まで下りて顔を洗い、3階に戻って着替えてから2階で食事をし、3階にランドセルを取りに行ってから出かける」だけで、合計8階分も階段を上り下りしなければならなくなる。加えて、階段は許容限度ぎりぎりの急角度となり、滑り落ちる危険性も高い。このように、住宅の条件としては、決して良好とはいえない。にもかかわらず、購入する人たちがいる。彼らに共通するのは、「どうしてもマンションは嫌だ」という生理的な嫌悪感。「都市には住みたい、でもマンションは嫌」という人たちにとって、「火の見やぐら住宅」は、都市に残された最後の砦でもあるわけだ。