ストライプはお好きですか?縞柄のことですね。チョーク・ストライプ、ペンシル・ストライプ、オルタネート・ストライプ……。縞柄の種類は星の数ほどあるのでは、と思えてくるほどです。一本の線にある構成美。簡素で、美しい柄、だからこそ人気があるのでしょう。名著『「いき」の構造』(講談社学術文庫)の著者、九鬼周造は、「縞は粋」と言っています。「たがいの線はけっして交わることがなく、ために諦めの心があり、だから粋なのだ」、ざっとそのような説明を加えています。そしてストライプは男の服装にとって、もっとも身近な柄となっています。スト一ワイプのスーツ、ストライプのシャツ、ストライプのネクタイ……。でも、ストライプの服さえ着ていればおしゃれ、と安心していませんか。「安心」と「おしゃれ」とは、たいへん遠い距離にあります。極端な言い方をすれば、簡単には安心しないことが、おしゃれの心なのです。スーツも、シャツも、タイもすべてストライプ、という着こなしがあります。これも好みの問題でしょう。単純に柄の重なりは野暮と決めつけようとは思いません。でも、ストライプーオン・ストライプだからおしゃれ、と安心してしまう心は美しくないのです。ひとつ楽しんで、ひとつ我慢する。これが本当のおしゃれの基本原則です。ストライプのスーツをより楽しもうとするなら、どこかひとつくらいは、我慢する。つまり無地のシャツか、無地のタイを合わせてみる。つまり上手におしゃれをするということは、技術の問題ではなく、心の持ち方だといいたいのです。常に、少しだけ我慢する。これもヒントのひとつなのです。
[参考サイトのご紹介]
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